引越ガイダンス−事務所|(株)SEED(株)SEED

4〜7ヶ月前
解約予告
【解約に関する確認事項】
ほとんどの賃貸借契約書に中途解約に関する条文があります。
条文をよく読んで、貸主に対する解約の通知はいつまでに行えばよいかを確認します。
  ●条文例
第○○条(期間内解約)
1. 乙は、何らの事由がなくても6ヶ月以上前の予告期間をもって甲に対し書面で解約を申し入れることができる。この場合予告期間の満了と同時に本契約は終了する。
  2. 前項の規定にかかわらず、乙は、6ヶ月分の賃料相当額を甲に支払うことにより、即時に本契約を解約することができる。
  3. 第1項及び第2項による解約の申し入れは書面によるものとする。
●解説
上記の例では「契約終了予定日(明渡し期日)の6ヶ月前まで」に、貸主に対して書面で通知する事が定められています。
 いい物件が早めに見つかり、解約予告の残存期間をかなり残した状態で移転を決行することもあります。この場合、前の事務所の解約予告残存期間に支払う賃料と新たな事務所で支払う賃料とがダブルことになります。
新しい事務所の賃料起算日が、貸主の好意で「移転の日から数週間〜数ヶ月間猶予」していただける場合もありますので交渉してみましょう。

原状回復
【現状回復工事費用】
貸室の明渡し条件に「借主の負担による原状回復工事義務」があります。
原状回復工事費用はビルの規模や貸主の考え方、貸室の状態によって異なりますが、通常坪当たり20,000円から50,000円位かかります。
 これらの費用も移転経費として予算化しておく必要がありますので、早めに見積書をとって起きましょう。
  ●条文例
第○○条(明渡し)
1. 乙は、明渡日を事前に甲または甲指定の管理人あてに通知し、立会日を協議したうえ、本契約が終了するまでに、本物件を明渡さなければならない。
  2. 前項の場合には、乙は本物件内に取付、施設した造作、間仕切、建具等及び諸設備を乙の費用で撤去し、本物件を原状に回復して甲に明渡さなければならない。
  3. 甲は、前項の規定にかかわらず、乙が任意に原状回復をしない場合には、乙の費用負担のもとに原状回復をすることができる。この場合には、甲は、原状回復費用の内訳を乙に明示するものとする。
  4. 乙は、本物件の明渡しに際しては、残存物をすべて処理し、公共料金等の精算を済ませたうえ鍵等標記(C)の貸与されたものを返還するものとする。
  5. 乙は、甲に対して、甲の同意を得て付加、または買いうけた造作について、買い取りの請求を行わないものとする。
●解説
原状回復工事の範囲について紛争となるケースが増加しております。
今のところ下記の方法で「慣例的」に処理されております。
※原状回復=入居時の状態に戻す
(1) 床=タイルカーペット、Pタイルなどを新品に張り替えます。
  (2) 壁=新品のクロスに張り替えるか塗装。
  (3) 天井=塗装。
  (4) 給湯室=クリーニング
  (5) トイレ=クリーニング
  (6) 蛍光灯などの管球交換=全て新品に交換。
  (7) ブラインド=入居時に設置されていたものはクリーニング
  (8) 窓枠等=原状が塗装のものは新たに塗装。その他はクリーニング。
  (9) 破損箇所・毀損箇所=修復

敷金
【敷金・保証金の返還時期】
敷金や保証金の返還時期が賃貸借契約書に記載されております。
貸室明渡し後、水光熱費の清算が出来た時点で返還してもらえるケースもあれば、貸室明渡し後3ヶ月間〜6ヶ月間、据え置いて返還されるケースもあります。
「敷金・保証金」を新たな事務所の「敷金・保証金」にそのまま充てることは、新事務所の契約時期と現事務所から敷金・保証金が戻ってくる時期が異なりますので難しいと考えた方がよいと思います。
このことも移転予算の計画を立てる際の重要事項となりますので、予め確認しておく事をお薦めします。

移転動機の確認
【まず移転や新設の動機を明確にしましょう!】
  移転の動機は一般的に「縮小移転・拡張移転・統廃合・設備の老朽化・立地条件の変更」の5種類ですが、室内環境の改善や設備増強などインフラに関連するケースも多く見受けられます。
それぞれの動機によって移転計画の立て方は異なりますが、何よりも大事な事は「移転動機」を明確にして無駄な作業や費用を発生させないよう適切なサポートを心掛けましょう。
移転計画策定時のポイント
 
1. 移転スケジュールの立案
  2. 解約予告届出時期
  3. 移転コストの算定
  4. 移転候補ビルの情報収集
用途
立地
契約面積と実効面積
設備条件
・建物使用時間制限
・実際に使用できる電気容量
・空調システム
・防犯対策
移転時期
予算
ランニングコスト
・賃料
・共益費
・水道光熱費
・室内清掃費等諸費用
イニシャルコスト
・従前の事務所の原状回復工事日
・移転費用(引越し費用)
・什器備品の買い換え
・コンピューター関連費
・印刷費
・会社案内
・移転案内状
・販促ツール
・パンフレット
・名刺
・その他印刷物

面積見直し
■面積の見直しによる主な移転理由
業務スペースが手狭なので拡張したい。
手狭の原因を把握して「適性」な貸室面積を積算します。
収納スペースが手狭なので改善したい。
無駄なものや普段使用しない物が保管されているものをチェックして最適な収納プランを立てます。
会議室スペースが手狭なので改善したい。
専用会議室、応接兼用会議室など「用途」「目的」を明確にして面積を積算します。
接客スペースが手狭なので改善したい。
必要な数と面積を積算します。
OA設置スペースが手狭なので拡張したい。
パソコンや什器は小型化の傾向にあります。
利用するOA機器の数がさほど変らない場合や移転の際に買い換える什器が原状の物より小型の場合は「手狭感」をさほど感じない場合もありますので確認しましょう。
一人当りの執務スペースの適正化したい。
机やサイドテーブルのサイズに影響を受けますのでカタログなどを参考に積算しましょう。
分室、複数フロアを統廃合したい。
分散する事務所を「統廃合」することは、適正な事務所面積によるランニングコストの最適化にもつながります。
複数の事務書を統合すると1割〜3割の面積を削減できる場合があります。
これは、各事務所ごとにあるコピー機やキャビネット、接客スペース、会議室などが統合によって共有できるようになるからです。
人が減ったので縮小したい。
バブル崩壊以降、常に「移転理由のトップ3」にランクされる動機です。
経費を削減して利益を確保したい。
事務所を縮小移転する事で賃料などのランニングコストを削減します。
但し、移転経費がかかりすぎて本末転倒になるい場合もありますのでしっかり積算しましょう。

環境改善
■環境の改善を目的とした主な移転理由
事務所が複数のビルに分散していて業務効率が悪い
一つのビルで複数のフロアを使用しているので無駄が多い
電気容量に限界がありパソコンなどの増設が出来ない
電気容量の増設は出来るがコストがかかりすぎる
電源の取り出し口が壁や柱にしかないため配線が露出して危険だ
電源の取り出し口が少なく配線が露出して危険であるばかりでなく、見た目にも問題がある
エレベータが狭くて荷物の搬出入に手間がかかる
エレベータが狭いので一回の乗降人数が少なく不便
室内に柱が多くて使い勝手が悪い
電話の回線数が少ない
空調設備の機能がよくない
照明の明かりが不十分
天井が低くて圧迫感がある
窓が少ない(無い)
トイレの数が少ない(汚い)
設備が老朽化している
■ビルの付帯設備に不満があって、移転・新設を行った事例
ビルに駐車場が無くて業務上不便
大型車の駐車が出来ない
平面駐車(ワンボックス車の利用)が出来ない

立地改善
■立地条件(周辺環境)の改善を目的とした主な移転理由
交通の便が悪く営業効率が上がらない
交通の利便性が悪く来客数に影響を与えている
社員採用の際人材の集まりが悪い
周辺の騒音がひどい
館内の環境が悪い
空調稼動時間に制限が有り業務に支障が出ている
近隣の環境が悪い
採光が悪く事務所が暗い
新規の事業に適した立地・環境ではない
倉庫・配送センターへのアクセスがよくない
社員の通勤事情に適さない
昼食など食事の環境が整っていない

管理に不満?
■建物管理体制の不備が理由で移転した事例
共用部の管理・清掃内容がよくない
防犯・警備に問題がある
日曜・祝日の入館が出来ず仕事に支障がでている
ビルの使用時癇に制限があり業務に支障が出ている
建物が老朽化しているため危険が予測される
(地震・電気設備の老朽化による火災の懸念など)
ビル管理がずさん

コスト見直し
■賃料等の条件改善が理由で移転した事例
賃料が近隣、他の階のテナントと比して高額
賃料の値上げを要求されているが揉めたくないので移転する
契約面積に対する有効面積が少なく損をしている
共益費が相場より高い
敷金・保証金が高い(預託額が現在の相場と比して高額)
諸経費、維持管理費が高い
共益費意外に請求される維持管理費が多い(高い)

移転立案
事務所の移転計画を考える際に必要なことをご説明します。
 
貸ビル探しから移転までの流れ
【移転新設までの流れ】
 
移転・新設のプランを練ります
面積、賃料、諸経費、必要設備の
スペックや立地条件などを設定します
移転までのスケジュールを立てます
移転候補地域の賃料相場を把握します
貸ビル情報を収集します
貸ビルを実際に内覧して部屋の様子を確認します
条件に見合う貸ビルが見つかったら入居の申し込みをします
貸主から入居の承諾を得たら契約の準備に入ります
契約の前までに賃借する貸ビルの重要事項説明
(宅地建物取引業報第35条)を受けます
契 約
移転・新設先の貸ビルのレイアウトプランや設備プラン、
什器備品の購入プランを具体化し、見積り調整を行います。
引越し業者や内装業者を手配をします
設備の新設、什器備品の搬入を行います
引越し
登記の住所変更、税務署や社会保険事務所への届出、
取引先への案内状の発送などを行います。
 
面積
【移転新設までの流れ】
移転先を決めたあとにオフィスの使い方を検討する方がいらっしゃいますがこれは間違いです。
移転先が決まったあとにデスクや会議室のレイアウトを行うと、スペースに無駄が出たり、購入予定の什器が収まらないなど、さまざまな問題が発生します。
オフィス探しをはじめる前に以下の事項を検討することで、よりよい移転先の選定が出来るばかりでなく、移転コストも無駄なく最適な状態で設定することが可能になります。
建物管理体制の不備が理由で移転した事例
毎月定額で支払う賃料や共益費は、それぞれの坪単価×契約面積で求めます。
新しい事務所の部屋の形状や入り口の位置や窓の向きなどによって、実際に使用できる有効面積が異なりますが、目安となる面積は決めておく必要がありあます。
必要面積速算表
下記平均使用面積には「会議室・商談ブース・キャビネットや机などの什器備品スペース」が含まれます。
小型ビルの場合(30坪以上50坪未満)
1人当りの平均使用面積は1.5坪〜3坪位です。
中型ビルの場合(50坪以上100坪未満)
1人当りの平均使用面積は2.0坪〜4.0坪位です。
大型ビルの場合(100坪以上)1人当りの平均使用面積は2.5〜5.0坪位です。
面積の考え方
 
1. 社長室の面積は?
2. 役員室の部屋数及び面積は?
3. 事務スペースはどの位必要?
4. キャビネットが専有する面積は?
5. ファイリングスペースと作業エリアの適正な面積は?
6. 会議室は使用人数(最大値)から面積を割り出す
7. 応接室の広さ(面積)と部屋数は?
8. 倉庫・備品ルームの面積は?
9. 更衣室の面積は?
10. 来客待合スペースの面積は?

予算
新たな事務所で支払う賃料と共益費賃料は共益費を含んだ金額で考えましょう。
共益費の金額はビルによってまちまちです。一般的には坪当り3,000円から5,000円の間で設定されております。賃料が安くても共益費が高額な場合は支払う金額が膨らんでしまいますので、必ず賃料・共益費両方のバランスを確認し、支払える賃料・共益費の上限を確認します。
新規で購入する什器備品をリスト化する
主な什器備品例:
1. 机・椅子
2. 共用キャビネット
3. 専用キャビネット
4. ロッカー
5. 会議室用のテーブルと椅子
6. 商談ブース用のテーブルと椅子
7. OA全般:パソコン・コピー機・FAX機など
8. 受付家具
9. テレビ
10. 空気清浄機
11. 各種ラック類
12. 電話台
13. 冷蔵庫
14. 食器棚
15. コーヒーメーカー
16. 傘立て
など
間仕切り工事
社長室、会議室、ミーティングブース、更衣室などの間仕切り工事にかかる費用を見積もります。
天井まで間仕切りする場合は、煙感知機の増設が必要となる場合があります。
新しい事務所が決まったら、工事業者から(防災関係はビル側の専任業者が指定されている事がありあます)に見積りを取りましょう。
電話の購入・工事
1. 新規に購入する電話のタイプと台数、交換機の設置費用。
2. NTT側でかかる費用
3. ADSL、光ケーブルなどの回線にかかる費用。
電源工事
コンピュータや電気機器の電源を確保する為の工事費用で下記のタイプがあります。
1. 床上配線工事
2. 床下配線工事
LANなどのネットワーク工事
専門の業者にプランを説明して見積を取ります。
看板工事
ビルに袖看板がある場合は、看板の制作費と取り付け費用を見積もります。
通常はビル側の業者に依頼しますので、新しい事務所が決まったら、貸主か管理会社に相談して、早めに手配をしましょう。
個別の機械警備
ビル側の機械警備システムの他、個別で警備システムを導入する場合は、新しい事務所の貸主か管理会社に相談して、既存の警備会社とのトラブルが発生しないよう注意します。
廃棄処分費用
引越しにともなって廃棄する物(什器備品・OA器具等)がある場合は、リスト化して「廃棄処分」にかかる費用を予め見積もっておきます。
印刷物
1. 移転案内状
2. 会社案内
3. パンフレット・カタログ類
4. 名刺
5. 伝票類
6. レターヘッド
7. 封筒
8. シール
移転登記の費用
移転先が決まり、賃貸借契約が終了しましたら管轄の法務局で住所移転の登記を申請します。
立地条件
立地条件
事業の内容や性質によって選択されますが、都心の場合は出来る限り複数の路線が使用できる立地を選択することが望ましいです。取引先や関係会社との往復が多い場合は相手先の立地に近い所に事務所を構えることが良いように思われますが、徒歩圏内でコミュニケーションが取れる立地の場合、必要以上に行き来しなければならないようなことになってしまうなどデメリットもありますのでよく検討する必要があります。
立地条件の考え方
1. 現在の事務所の電話番号の変わらない地域
2. 主要取引先の近く
3. 交通の便がよい立地
4. 主要地下鉄の駅周辺
5. 周辺環境の良い立地
6. 周辺に飲食店(昼食等)が沢山あるところ
7. 来客用宿泊施設が近隣にある立地
8. 通勤に影響が無い立地
[免責事項]